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演題募集要項

主題氈F癌先進部組織形態は大腸癌の予後因子となりうるか?を選択する方は以下の項目に準じて演題をご登録下さい。

1.対象症例

sm 以深の浸潤癌.腺癌を対象とする(粘液癌も含む).分化度は問わない.

2.検討対象切片

検討はHE染色標本にて行う.特殊染色や免疫染色,分子生物学的手法等で明らかになる事項は,HE染色にて検討した簇出所見とは別に扱う.
進行癌では病変の最大割面標本にて検討する.sm癌では全割標本での所見を原則とする.

3.簇出の定義

図1簇出は癌細胞が5個未満の個細胞あるいは小腺管からなる浸潤病変とし,明らかなリンパ管侵襲は含めない.癌細胞かどうかの判定が難解なものは除外する(図1左).
膿瘍(急性とそれが慢性化した場合も含む)などの炎症の結果,簇出の組織形態を取ったことが明らかなものは対象から除外する(炎症によるものかどうか判断が難しい場合は,炎症の状態,構成細胞の種類等を併記する).

4.浸潤先進部領域の定義

図2浸潤先進部とは,癌胞巣集塊の最深部と正常部との境界線付近の領域を指す.観察すべき先進部領域の例を図2に示す.

5.簇出の検討方法

浸潤先進部領域において,簇出巣の数が最も多い領域を1箇所選び,接眼レンズ10倍(視野数20の場合),対物レンズ20倍(実視野面積0.785mm2)で最も多くの簇出巣が含まれる1視野(図1右)内の簇出巣の数を「簇出数」とする.病変を,簇出数によって以下の3群に分類する.

 Grade 1:簇出数が0-4個
 Grade 2:簇出数が5-9個
 Grade 3:簇出数が10個以上

表1但し,使用する顕微鏡接眼レンズの視野数の違いにより,実視野面積が異なる.表1を参考に,使用する顕微鏡に応じて基準を補正する.
注:上記の簇出の測定に関しては,様々な測定基準が用いられている.先進部全周にわたって測定するMasakiらの方法(Hepatogastroenterology 2003;50:388-391)や対物40倍視野で測定するJassらの方法(J Clin Pathol 2003;56:69-73)などもあるが,対物20倍で簇出(budding)が最も高度な領域を1領域選んで測定するUenoらの方法(Gastroenterol 2004;127:385-394, Histopathol 2002;40:127-132)により,sm癌および進行癌でも簇出(budding)が予後不良因子となる可能性が指摘されており,今回の検討はUenoらの方法に従って測定することとした.

6.検討が望ましい項目

それぞれ,sm癌と進行癌(mp以深)に分けて簇出gradeとの関係を検討する.

(1) 腫瘍の優勢な組織型と浸潤先進部の組織型
(2) リンパ管侵襲,静脈侵襲
(3) 所属リンパ節転移
(4) 遠隔リンパ節転移
(5) 腹膜播種
(6) 血行性転移(肝転移,肺転移等)
(7) 局所再発率,局所再発時期
(8) 生存率・予後(disease freeとover all survival)
など

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第62回大腸癌研究会